生き霊ストーカー 7

閲覧いただき、ありがとうございます。
霊感強すぎBBAです。

臭い生地に反物の表からファブリーズを吹きかけている姿を見て、
「染み込んで時間が経った猫のしょんべんの匂い、舐めてるな・・・。」
と思いました。
いわゆる縄張り争いで、スプレーされた匂いは特に強くて、
それが長期間放置されていたのだったら
表面からファブリーズシュッシュした程度では到底取れるわけがありません。

いっぺん解反して、もう一回高温洗浄と仕上げ工程を行わないと到底無理と私は判断していました。
それでもちゃんとにおい取れるかなあ・・・と思うぐらいのものです。

そんなこと、テキスタイル業界で何十年もやっていたらわかって当然のことなのに、
「いったいあんたらは何をやっているんだ。」
正直怒り心頭でした。

こんなものを私の大事なお客さんに押し付けて金を得ようとしているんか。

心が死にました。

お客さんおよび私のことを金儲けのための道具としか捉えていないんだろうなあと思いました。

実際に私の覇気が落ち、それと連動してお店の売り上げも振るわなくなってきました。
当たり前のことです。


22 蓄えが底をついた

東京の自宅の家賃、事務所の家賃、大阪の自宅の家賃、古巣への上納金、私の体調不良
いろんな要因が重なって、結構余裕があった蓄えが底をつき始めました。

商売で生活を立てていると「損益分岐点」というものがあって、
それを目標に月々の売り上げ目標を立てます。

これは生々しい話になるのですが、
これを守れてきたから私のお店はずっとお店を続けることができていたと思います。

あとは本当に少しずつですが蓄えをしていく心がけ。
本当に100円でも1000円でもいいんです。
「使ったつもり」でほんの少しずつ、蓄えていく。
それが長い年月を経るとなかなかの蓄えになっていました。
が、それらも全部なくなってしまいそうな勢いでした。
全ては、私の元気がなくなってしまったからなのではないかなと思います。

ネットの生地屋さんで、東京23区内でやっているお店が非常に少ないことからもお察しいただけると思うのですが、
東京は家賃がとっても高いので、
それらを含んでなお運営を続けていくのは非常に難しいことでした。

さてどうしようかな?

東京を引き払って大阪に腰を据えてやっていくか、
大阪を撤退して東京に帰るか。

決断を迫られました。

オットとも何度も何度も話し合いました。

東京の方が経費が高いのでそっちを引き払ったほうが我々の生活は楽になり、
また少しずつでも蓄えをしていくことができる可能性がある。

でも大阪にいたら私は元気がどんどんなくなってしまう。


さあ、どうしよう?

結局私が決断するしかないんですよね。

23 逃げる

何度も何度も話し合いを繰り返し、
「東京に帰ろう。」と思いました。
というか、決めました。

オットは
「もう少しお金貯めないと東京にも帰れないよ。」と言いました。
その発言を聞いて私は怒りました。

「もう限界だから東京に帰ると言った私をまだ働かせて金を稼がせようというのか?」と。
「古巣の社長と一緒で、
あんたも私のことを金を生み出すマシーンみたいに思っているんだな。」と。

オットは「違う。そんなことない。」と言いました。
「じゃあ、ここに残っていたらこの先私がどうなるかわかるよね?」
「金しか見ていない人たちにいいように利用されて、お客さんも利用されて、悔しくないのかい?」

何度も何度も話し合いました。

物事はまず、
状況が整ってから行動を起こすのではなく
まずは「こうする」と決めることから始まるのだと私は思っています。

「今はお金がないから無理。」なんて発言は怠け者の言い訳に過ぎないと私は思っています。
そんな発言をする人は、無理や努力をしたくない人の発言と私は思っています。

そんなわけでお金はないけど大阪のおうちを引き払って東京に戻ることにしました。

24 生き霊アタック


東京に戻って「これで安心」と思っていましたが、
実はそこからの方が酷かったです。

生き霊アタックが始まりました。

動機、息切れ、頭痛、悪心、嘔吐、めまい、ありとあらゆるいろんな症状が私を襲いました。

東京でも嘔吐直後に気を失って倒れて、救急搬送されました。
とっても丁寧に色々検査してくれた結果、「概ね健康」と、
大阪の時と同じ見解でした。

普段は幽霊は見えない私ですが、
その時は見えました。
蛇が私の心臓に巻き付いているのが。

「ああ、生き霊か。」と思いました。

昔々、行者のおばあちゃんのところに通っていた時に
生き霊によって心臓にアタックを受けてエライコッチャになってしまった人に関わったことがあります。
その時に、不動明王さまは
「生き霊は蛇の形をして人の心臓を攻撃するんだ。生きている人間の念が変化したものだから、この不動明王の力を持ってしてもこればっかりはどうしてやることもできない。」
と言っていたのを思い出しました。

その蛇は
「こいつさえ逃げなかったら我が社はまだやれたのに、」
と言っていました。

それは自己都合な考え方だなあと思うのですが、まあ、その生き霊の蛇さんにそんなことを諭したところで理解してくれるわけでもないよなあ。
と思いました。

諦めてくれるのを待つしかないのかな〜。と思いました。

25 生きるために


そんなふうな生活のなか、
私が生地屋としてずっと順風満帆にやってこれたのは
私自身の生地愛に加えて、古巣の社長からもらった知識、経験によるところも大きかったんだろうな〜という気持ちが湧いてきました。

てかそういう位気持ちがあったからこそ、「恩返しがしたいなあ。」と思ったわけだし。

今も、「得難い知識や経験を与えてもらったなあ。」という気持ちは強いです。
これね、
多分私が生地に関わるのやめるか、
社長が死ぬかしないと終わらないんじゃないかな〜と思いました。

でもしゃちょう、そう簡単に死にそうにないしね。(笑)
他者の死を望むのは私自身も不本意ですし。

社長曰く、私は天才だったのだそうです。
生地に対する興味関心、理解度、その飲み込みのスピード、どれをとってもこの何十年とやってきた生地屋人生で群を抜いていたと。

これは以前別の取引先の人にも言われたことがあります。
「社長があんたのことを褒めてたよ。」
「自分はあんまり人を褒めることはないけど、うちのオガワは天才だと思うんだ。本当にすごいと思ってる。」と。

私のことを買ってくれていたのでしょうね
なので、会社のこの先のことも委ねたかったのかもしれません。

でも私は逃げた。2回も。

そりゃ生き霊放つわ。

と思いました。


社長にとってテキスタイルは生き様、人生そのものだったんだろうなあと思います。
だからこそ、2回も逃げた私のことを許せない気持ちも強かったんじゃないかなあと思います。
分からんでもない。

私は社長のことをテキスタイルの天才と思っています。
社長が私のことを天才と評するならば
天才と天才の
命懸けの大喧嘩、みたいな感じなのかなあと思います。

でも
やっぱり私が身を引くべきなんじゃないかなあと思います。

今持っている知識や経験値は
全部社長にもらったものなので。


なので、生地屋をやめます。
じゃないと、
この生き霊騒動は収束しないと思うので。
このままやってたら多分私、死にます。

そんなわけで、
私が生地屋を辞めるに至った経緯の話はここでおしまいです。


最後まで読んでくださってありがとうございました。

あ、多分その生き霊的な何かしらから
「これで逃げおおせたと思うなよ。」と言われたっていうのはまた別の時に書きますね。(笑)



コメント

  1. 私の大好きな人生の師匠なので長生きしてください!!!健康大事!!

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    1. ありがとうございます。長生きしたいです!

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  2. そんな、恐ろしい霊に取り憑かれてしまう奥さんを支えるやっさんも、えらいですね。
    どうか、生き抜いて、乗り切ってください。
     他のご商売だとしても、始める時はお知らせして下さい。
    復活を、心待ち❤️しています。

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    返信
    1. やっさんの肝の座りっぷりには私もびっくりしています。
      本人は「自分も霊感強いから」としれっと知っていますが。
      どんな状況でも機転を効かせて行動することが強く求められるホテルマンの底力、
      すんごいです。

      削除
  3. 貴美さんの天才的な才能は生地を売るという事だけじゃないと思いますよぉ!
    きっと何をやっても貴美さんがよっしゃ!となったものは
    全部実を結ぶと私は思ってます。
    応援してます!

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    1. ありがとうございます!
      「こうすれば儲かるよね」的な何かしらの法則にとらわれずに、
      自由な感じで何かをやりたくなるのを自分でも待ってます(笑)。

      削除
  4. 体調はどうですか?
    すべてのお話を読んできましたが、今回の生霊のお話が一番恐ろしかったです。
    そして社長や周りの人にオガワさんの気持ちが通じないのが、なんか悲しいですね。

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    返信
    1. ありがとうございます。
      私の気持ちは私の自己満足というか独りよがりなので、
      やり切った感はあるけど悔しさはないです。
      ただ、もう生き霊アタックだけはもうやめてほしいです(汗)
      本当にしんどいので。(笑)

      削除

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