3代前 3
閲覧してくださりありがとうございます。
前回のお話の続きです。
今だったら18歳が成人なので、自分の意思で色々なことができるのですが、
当時の私はまだ20歳未満で、何かを行おうと思ったら親の了承が必要な状況でした。
そんなわけで、
私は母親をおばあちゃんのところへ連れていく必要がありました。
おばあちゃんは言葉が強くて、その人にとって一番必要な話をします。
要するにその人にとって一番「耳の痛い話」をするので、
最初はみんな張り切って通うのですが、
だんだん足が遠のきます。
いわゆるアレですよね。
「わかっているのにわざわざ追い打ちをかけるように注意されたら気分が悪く」なりますよね。
例えば、テスト前にお勉強しないといけないってわかっているのに
「あんたテスト近いでしょ?勉強しなくていいの?」
なんて言われたら腹が立ちますよね。
でもやりたくないからやれない。
やらなきゃいけないってわかっているのにやれない。
実は自分自身がその矛盾に気づいてモヤモヤしているのに、
追い打ちをかけるようにガツンと今の問題を指摘される。
イラッとしますよね。
おばあちゃんのところに通うと、
そういうリスクが常に付きまといます。
自分の課題、いけてないところをズバッと言われるので
叱られ慣れていない大人の人たちは、
なんとな〜く行きたくないな、という気持ちになるみたいです。
なんでわざわざ叱られに行かなくちゃいけないんだろうと腹を立てて
おばあちゃんのことを悪く思う、もしくは悪くいう人もいました。
おばあちゃんの前では「わかってますよ。ちゃんとやれてますよ。」みたいな風を装うのですが、
「ちゃんとやれているのだったら私にこんなこと言われないよね。」なんて追い打ちをかけられちゃうものですから、
面目丸潰れ〜みたいな感じになってしまい、
だんだんと、なんとな〜く、足が遠のきます。
「仕事が忙しい。」とか
「別の用事が忙しい」とか
もっともらしい言い訳をつけて。
おばあちゃん自身は
「言わされている感」があるので、
その人が具体定にどんな問題を抱えているのかということは認識していなかったみたいです。
「でも私が発言したこと自体がその人にとっては都合の悪いことなんだろうね。
少しずつ、私のところに通ってくる人は減ってきているよ。
ほぼ毎日通ってくるのはあんたぐらいしかいなくなってしまったね。
最初はみんないい顔して寄ってくるのにね。」
と、言っていました。
実際に私の両親も、姉も、
毎月28日の不動明王さまのお祭りの時以外はおばあちゃんのところに行かなくなっていました。
なので、まずは母親をおばあちゃんのところへ連れていく必要がありました。
連れていくためのネタとして、私に一体何が起こっているのか、教えてくれと食い下がりました。
そうしたら
「3代前、あんたはお姫様だったのだそうだよ。」
と言いました。
「はい?姫?姫ってかぐや姫みたいなやつ?」
と思いましたら、
「ほらね、あんたにいうとそういう風にすぐに調子に乗るでしょ?」
と諌められました。
よ〜くご存じで・・・(笑)
「まあ、教えてあげよう。
3代前のあんたは武家のお姫様だったんだよ。
嫁に出された。政略結婚ってやつだね。
まだ幼かったから、乳母とお付きの者(家来)十数人をつけられて嫁ぎに出された。
ただ、嫁いだ先は自分の実家の敵方の家来の家だった。
お館様(自分の上司)の敵方の娘を嫁にもらったのがバレたら自分の家が滅ぼされてしまう。
それを恐れた家の長が、姫だけを受け入れて乳母とお付きの者(家来)たちに『お前らは帰れ』と言ってお屋敷に入れてもらえなかったのだそうだ。自分たちがお仕えしている主人から『姫を守れよ』と言われて屋敷を出された家来たちは、このままおめおめと屋敷に戻るわけには行かない。なので、『生きて姫を守れないのなら、死んで姫をお守りしようぞ』と言ってお互いに差し違えて自害した。その霊たちが、あんたが生まれ変わってくる間中、ずっとあんたについて見守っていたのだよ。でももう、霊界の禁を犯し続けるのも忍びない上に自分たちが疲弊して限界を迎えているらしい。『このままでは姫の重荷となってしまう』と思ったらしい。泣く泣く霊界に上がることを決意したらしいよ。『今まで精一杯守ってくれたお礼に、祭りをして弔ってやれ』と不動明王様がおっしゃったんだよ。」
と、おばあちゃんは言っていました。
「お祭りってどうすればいいの?」と聞きましたら
「お供物とお酒を供えして、今までありがとうございましたとお礼を申し上げて、そして霊界に送り出してあげるんだよ。あんたにしかできないことだ。でもお供物やお酒など、お金も手間もかかることだからね。それで親の承諾が必要なんだよ。」
とおばあちゃんは言っていました。
「自分たちの命を賭してまでもあんたを守ろうとしてくれたご霊さま達だからね、ちゃんと感謝するんだよ。」
と言われました。
「執着によって人に憑依することはいけないことだと言われていたけど、
こんな温情的な措置をしてくれることもあるんだ・・・。」
と言いましたら、
「不動明王様は鬼じゃないからね。片目を半分閉じているのはそういうことなんだよ。ごくたまには見て見ぬふりをしてくれる場合もあるんだよ。それが温情っていうやつだ。でもちゃんと霊界にあげてくれるから安心してお任せしなさい。」
とおばあちゃんが言いました。
なんということかと思いました。
唯物主義気味でお調子者で、チャラチャラしたくて仕方がなかった私は
実は霊障が強すぎて日常生活が困難でいつもおばあちゃんに叱られてばかりいたのを
「なんで自分ばっかりこんなしんどい思いをしないといけないんだろう・・・?」と恨めしい気持ちになることが多かったのですが、
その日はなんだかとってもジーンとしたというかしんみりしたというか、
ちょっとだけ謙虚な気持ちになりました。(ちょっとだけね)
その日、家に帰った私は親を説得して、お祭りをあげてもらう了承を得ました。
これら全部経験談なので、
本当だったら不特定多数の人に対してこんなことを発言したら
大概は「この人頭おかしい。」と思われるに違いないと思い、本当にごく一部の人にしか話していませんでした。
でも、実際に経験したことなのです。
決して茶番じゃありませんでした。
おばあちゃんはいつも私が持ち込む厄介ごとを本気で嫌がっていたし(笑)、
それでも一生懸命対応してくれていました。
お布施を強要されることは一回もありませんでした。
高校生のバイト料の中から、無理しない金額、本当に100円とか10円とかを、玉串料的なものとしてお供えしていただけです。
それよりもおばあちゃんのおうちに行ったらいつもお饅頭とか大福とかおにぎりを食べさせてくれて
「あんたねえ、全然食べなくてお腹が減っているから霊に乗っ取られるんだよ。ちゃんと食べてお腹に気を溜めておかないといけないんだよ。あんたはガリガリすぎる。ほら食べな。」
と言っていつも色々食べさせてくれていました(笑)。
続きます。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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