3代前 4
閲覧していただいてありがとうございます。
前の記事の続きです。
私にずっと憑依して、私を守ろうとしてくれていたご霊たちを霊界に送り出すために、
お祭りをしてもらう必要があって、
そこには手間もお金もかかるので親に協力してもらう必要がありました。
家に帰って私は母親にことの経緯を話しました。
3代前は戦国時代の姫だったらしいこと、
敵方の家来の家に嫁がされたこと、
そのために家来と乳母が屋敷に入れてもらえなかったこと、
そして家来と乳母が、入れてもらえなかった嫁ぎ先の屋敷の前で自害したこと
その霊たちがまだ私に憑依していること
そしてその人達が「もう疲れた。霊界に上がりたい。」と言ってきていること
なので、お祭りをあげて弔ってあげる必要があること
母親は了承してくれました。
ブランドが好きでプライドが高かった母は
私が「姫だった」ことに気をよくしたみたいでした。
姉はそれに対して
「なんでいつも貴美ばっかりそういう風に特別扱いされるんだ。」と僻んでいました。
私としては「知らないよそんなの。てかあなたおばあちゃんのところに全然行かないじゃない。」
と思いました。余談です。
鯛の尾頭付きにおいなりさん、一升瓶の日本酒、お饅頭に大福にお餅などなど
たくさんのお供物を用意してもらい、お祭りが執り行われました。
おばあちゃんが祝詞をあげてくれて私についていた人たちを労う言葉を述べてくれました。
私もおばあちゃんに続いてご霊達に感謝の気持ちと労う言葉を述べました。
そうするとおばあちゃんの体に不動明王様がドンっと乗りました。
姿勢や声や言葉遣いが変わるのですぐにわかります。
不動明王様が私にいました。
「お付きのものたちを代表して、お前と話がしたいと乳母が言っておる。話すか?」と。
「直接お礼を言いたいので、お願いします。」と私は言いました。
「わかった。変わるぞ。」と不動明王様が言い、おばあちゃんの体から離れました。
そうしたら、たちまちおばあちゃんが泣き始め、私に縋りつきました。
そして今度は女性の声と仕草になりました。
「我が姫よ!我が姫よ!ああ!我が姫よ!」と言って号泣し始めました。
私に抱きついて、頭をぐりぐりぐりぐりと撫でていました。
そして目を開いて私を見据えました。
そして
「どうしたんじゃその髪は!尼にでもなったのかえ?何が悲しくて尼になんかなったんじゃ!一体何が悲しくて!あんなに長くて美しかったお髪は一体どこへ行ったんじゃ!」と言ってさらに大号泣し始めました。
それにはその場にいたすべての人が凍りつきました。
姫との別れを悲しむよりも、私の髪が短かったことの方がショックだったみたいで、号泣に次ぐ号泣でした。
「え、そこ?」と私も思いました。
おばあちゃんの体を借りて姫を思い号泣する乳母の霊の迫力に、
圧倒されるのと、そしてあまりの愛情の深さに、涙が出ました。
母親が「今の時代はみんな髪の毛が短いのが普通なのですよ。出家したわけではないのでご安心ください。」
と言ってくれました。
そうしたら乳母の霊が、母親の手を取り、
「姫をお願いしますよ。くれぐれもお願いしますよ。我らが姫を。どうかどうかよろしくお願いいたします。」
と、泣きながら何度も何度も言っていました。
私も「今まで本当にありがとうございました。これからはしっかりと自分で自分を守れるように頑張りますので、どうぞ安心して霊界での修行に入ってください。」と言いました。
そんなやりとりを何度か繰り返して、
乳母のご霊も気が済んだのか、おばあちゃんの体から離れたみたいでした。
そしておばあちゃんの体がおばあちゃんのものに戻りました。
顔は涙と鼻水でべしょべしょでした。
その場にいた全員が同じでした。
そして私は頭をぐりぐりされまくりすぎたせいで髪の毛がボッサボサになっていました。
「後は不動明王様が手厚くあの世に送り出してくれるからね。心配することはないからね。」
と言ってくれました。
「あんたは相当可愛がられて大事にされていたんだね。
なかなかいいところの娘でなかなかいい所へ嫁に出されたみたいだね。
乳母さんは嫁入りした先は尾張の息がかかった家だったって言ってたね。
ということはあんたは織田の敵方の娘だったんだね。
これは大変なことだよ。
自分が姫だったからって調子に乗っていい気になるんじゃないよ。
戦国大名に関わったことがあるっていうことは、
それだけたくさんの人の生き死にに関わる家のものだったということなんだからね。
それだけたくさんの人の無念や悲しみ悔しさを一身に背負っているっていうことなんだよ。
これであんたの後ろに龍神様が3体も付けられていた理由がわかったわ。
あんたね、守護龍神様に見捨てられたら本当に死ぬからね?3秒も持たないと思うよ。
龍神様のいうことをよく聞いて精進して生きていくんだよ。
あんたは
『なんで自分ばっかりこんなにしんどい思いをしないといけないのか。』といつも文句を言っていたけど、それだけ業の深い魂だってことなんだから。
謙虚になりなさい。傲慢さは捨てなさい。自分がすごいなんていう気持ちは捨てることだ。
所詮人間風情なんだから。」
という感じの内容のことを、
長い時間にわたってこんこんと諭されました。
お祭りが終わって、おばあちゃんはぐったりと疲れていました。
私も、自分の体からたくさんの霊が離れたときに感じるものすごい疲労感を覚えていました。
私とおばあちゃんは一緒にお饅頭と大福を食べました。
食べている間中、ずっとお説教を受けていました。
尾頭付きの鯛は母親が捌いてお刺身にしてくれました。
(お魚屋さんでパートしていた経験があるので、刺身を捌ける人でした)
半分はおばあちゃんの家に夕飯用に、
半分は自分の家用に持って帰りました。
いつもいつも厳しいことばかり言われて叱られてばかりでしたが
おばあちゃんのことが大好きでした。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
ちなみに、自分が経験したこの乳母とお付きのものたちのエピソードが、
実際に史実として存在していることを知ったのはその出来事の20年以上後のことでした。
次からはまた別の印象的だったお話を書こうと思います。
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